3月5日、卒業を控えた栄養士科2年制の卒論発表会が行われました。
栄養士科の全学生や審査員の先生方、保護者の方、プレスの方々が見守る中、16組の学生達が個性ある発表を行い、その中から「校長賞」2組、「家元賞」2組、「審査員賞」4組が選ばれました。
最優秀賞となる「校長賞」に輝いた2組のみなさんにお話を伺いました。
「生姜の疾病に対する栄養効果の検証」
発表者:永田 真澄さん、安達 比呂美さん、小野 あかねさん
この3人はなんと4ヶ月間にわたり生姜を毎日摂取し続け、その間の体調の変化を詳細に記録。
発表を担当した安達さんは会場の笑いを誘うなど、プレゼンテーションのスキルも見せました。
なぜ生姜?との質問に「最初は”スパイス”を題材にしようと思ったのですが、 あまりにも広いので、身近なものに絞ろうということで生姜を選びました。」と永田さん。
苦労したことはと聞くと、「毎日生姜を食べなきゃいけない苦痛でした(笑)。夏場だったので体温が上がってしまって。」と安達さん。
4月から栄養士として働き始める3人の内、保育園に就職する予定の小野さんは
「アレルギーで困っている子供たちも多いと思うので、もっとアレルギーについて勉強したいし、管理栄養士の資格も目指したい。」と意気込みを語ってくれました。
「宗教に対応した献立作成~豚代用食品を活用した献立~」
発表者:德重 匠さん、髙橋 真哉さん、小森 優太さん
今回、ハラール(イスラム教で「許されたもの」という意味。ここでは主にイスラム教徒が信仰上食べることを許されている食品を指す)を題材に選んだ3人。髙橋さんのお姉さんは保育園に勤めており、園児の中にムスリム(イスラム教徒のこと)の関係で豚肉が食べられない子がいる、という話を聞き、解決策を模索したいとのこと。
「食感だけでなく、調理性や味を含め、いかに豚肉を使った料理に近づけるか、工夫を重ねました。」と德重さん。
また、今回得たものとして髙橋さんは
「イスラム教という名前は知っていたけど、調べるにつれ、こんなに制限があると驚きました。世の中には宗教や文化の違いに苦労している人達が沢山いるんだなと思いました。」
また、「厳しい制限を乗り越えるのは一見難しいように思えますが、時間をかけて創意工夫をすれば解決できることがわかりました。」と小森さん。
女性グループと男性グループがそれぞれ見事な受賞となりました。
服部幸應校長は授賞式で、「どれも甲乙つけ難く、賞を選ぶのに審査員の先生方も本当に苦労しました。16組に選ばれたことを誇りに思ってほしい。」とコメント。
また、最後に講評を頂いた審査員代表の川口 毅先生からは、「選ばれた16題だけでなく、提出された72題の中にも興味深いものが沢山あった。発表を聞いて、ただ調査・研究するだけでなく、レシピ提案などを実践するところまで行っていたのは素晴らしいこと。学生の皆さんがこのように、世の中の問題を解決しようと努力することが、より良い社会を作る大事な要素なのだと改めて感じました。」とのお言葉を頂くとともに、「支持する説に立った文献だけでなく、反対説の文献や統計等も十分検討を。」等、今後に向けてのアドバイスも頂きました。
卒業に向け、栄養士科の最後のイベントが終了しました。
2年生には今回の発表を、社会に出てからの栄養士として働く糧とし、また発表を聴いた1年生には、来年自身が発表するための目標としてもらいたいと思います。