ラーメン屋ではなく「料理人」になるために。
店舗運営10年目、服部で本気の学び直し。

 

「鬼そば 藤谷」藤谷拓朗さん
調理師科夜間部 在校生(2021年10月入学)


こんにちは。
入学相談室です。

服部栄養専門学校の調理師科には昼の1年制、2年制、夜間部1.5年制がありますが、本日は夜間部の在校生を紹介します。

現在夜間部に通う藤谷さんはモノマネ芸人でありながら、渋谷センター街のラーメン店「鬼そば 藤谷」の店主でもあります。
2022年、3年ぶりに米国で行われた「ジャパンフェスNYヌードルコンテスト」で2年連続優勝を達成、
また、国内では「世界一うまいラーメン祭・大つけ麺博(東京・新宿)」で売上1位を獲得しています。

仕事と両立しながら積極的に調理の勉強に取り組まれている藤谷さんに服部に入学したきっかけや、コンテストのことなどをうかがいました。

 

Q. 料理に興味を持ったのはいつでしたか?

最初に料理やってみたいと思ったのは本当に大昔で、高校進学を考えている中学生時代ですね。
進路を検討するときに料理を教えてくれる学校に行ってみたいと。
当時野球をやっていたので、野球やりながら料理も勉強してみることも考えたのですが、野球に専念する高校に進みました。

 

Q. すでにお店を持っているのに専門学校に通ったのはなぜですか?

ラーメン店を10年やってきました。でもこのままでは自分は「ラーメン屋」。
僕がなりたかったものは、ラーメン屋ではなく、「料理人」なんですよね。
料理人・藤谷拓朗になりたい。

10年かけて実績を培ってきましたが、このままでは料理人になれないと思ったんです。
今まで積み上げてきたものを一度ひっくり返してもう一度学び直してみよう、
料理人としての技術の土台をちゃんと作っていこうと考え、日本で一番有名な料理学校に通うことを決めました。
学費のために半年ほど貯金に励み、昼間はお店があるので夜間部に入学しました。

 

Q. 現在のラーメン店のやり方を変えるということですか?

変えるというか、質を上げていきたいと思っています。
チャーシューひとつとっても、今よりももっと美味しく作る方法を知りたい。
業態も今よりも幅広く、ラーメン店からラーメンレストランにしていきたいんですよね。
ただラーメンだけを出すのではなく他にも人気メニューがある、前菜もおいしいと評判になるような。

ここ数年ニューヨークに何度か訪れていますが、アメリカではそういうスタイルのラーメン店が多いです。ラーメンと同じくらいチャーシュー丼が人気で、飛ぶように売れていました。
ラーメンだけでなくさまざまな料理を提供するレストランの形態は、ニューヨークでコロナ禍を生き残るためにラーメン店が進化していったものだと思います。
これを見て衝撃を受け、目指したい方向が定まりました。

将来ラーメン店を「レストラン」にしていくために、西洋・東洋・中華、すべての料理の基本を学び直そうと決心しました。

 

Q.服部栄養専門学校を選んでよかったと思うことは?

日本料理、西洋料理、中華料理、製菓、主要分野の基礎をひととおり教わることができるのがありがたいです。
どの分野にも今のラーメン作りに活かせるヒントがあります。たとえば西洋料理。
フレンチでは牛肉をオーブンで焼いたときの焼き汁を使った「ジュ」というスープの作り方があります。
こうすることですごく素材の旨味が出るのですが、この手法はさっそく自分のラーメンにも取り入れました。
製菓では脂質と糖質の混ぜ方を教えてもらいましたが、これもすごく勉強になりました。

学校の先生たちの教え方が上手いのも服部のすごいところ。
動作ひとつ一つ丁寧に納得いくように教えてくれるので、ああ、こうすれば人に伝わるんだと、現場のスタッフへの指導方法としても学ぶことが多いですね。

僕はラーメン屋ですが、パン屋さんでも何屋さんでも、一度服部で勉強するとよいと思います。
全分野の知識と教え方を身につけると、自分の店の改善方法が見えてきますよ。

 

Q.勉強したことが役に立ったと実感したエピソードを教えてください。

今年の米国での「ジャパンフェスNYヌードルコンテスト」、ここで服部で教わったことを取り入れたところ大評判でした。
フェス初参加が2019年、そして再び2022年10月、服部で勉強しながら今年のフェスに参加。料理の腕前は3年前とは比べ物にならないぐらい上がっていることが自分でもわかります。
グレードアップしたラーメンで、今年も優勝をいただくことができました。

国内では、今年秋の「世界一うまいラーメン祭・大つけ麺博(東京・新宿)」で成果を挙げました。
1ヵ月間、全国101店が次々と出店するお祭りで、そこで服部で学んだオマール海老の扱い方を生かして作ってみたところ大変好評で、お客さんが途切れませんでした。
2日間で約3000杯を販売し、お祭り全出店者の中でコラボ出店以外では売り上げ1位だったんですよ。
最近のグルメフェスは、SNSのフォロワー数が多く拡散力の強い店舗が1位になるんですけど、そんなにフォロワー数も多くないうちが1位になった。
これってすごいことで、純粋に味が認められた証明だと思うんですよね。

フェスに限らず多くの飲食店がSNSでのアピールに振り回されがちなのですが、いいものを作っていればちゃんとお客さんが集まってくれる。
それを実感し、自信をつけることができました。

服部での仲間との出会いにも感謝しています。ラーメンフェスでは調理師科夜間部の仲間が6人手伝いに来てくれて。
みんな勉強しているだけあって動作が丁寧で、本当に頼もしかったです。

 

Q.これから料理を志す学生に対してメッセージをお願いします。

2020年4月から、本当にいろんなことが変わりました。3年間でモノの値段、価値観、本当にいろんなことがガラッと。
しかし、良いものはちゃんと認められて生き残っていきます。だからこそ、本物の道具を使って一流の料理人から本物を学べる学校は貴重です。

服部先生がおっしゃっていた、「センスを常に磨き続けなさい。そうしないと店は潰れます」という言葉がとても響きました。
業界のレジェンドのような人から直接教えを聞くことができるのは本当にすごいことなんですよ。

服部で使う包丁ひとつとってもTVで取り上げられるほど一流品。料理に携わる外国人と話すと、HATTORIは世界でも有名なのがわかります。
服部で勉強したことが、この先料理人としての自分に自信を持たせてくれました。

時代に流されず良いものを追求していけば、道は開けていくと思っています。
僕も現状に満足せず、センスを磨き続けて進化していくつもりです。
ともに頑張りましょう。

 

服部栄養専門学校調理師本科夜間部(1.5年)のページはこちら!
https://www.hattori.ac.jp/cuisine/cuisine3/