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2度のオリンピック柔道金メダリスト 2012年栄養士科卒業「谷本歩実さん」のインタビュー
オリンピック金メダリストの次なる夢は、スポーツと栄養と医学を結びつけること
2004年のアテネ、2008年の北京。 2度のオリンピックで、柔道女子63キロ級の金メダルに輝いた谷本さん。 引退後の夢を模索した結果、服部学園で学び、栄養士の資格を取得した。 そんな谷本さんに、学園でのこと、その後のことを聞きました。
2012年栄養士科卒業/コマツ女子柔道部コーチ
五輪への道のりと同等に充実していた2年間
3つ目の金メダルを目指すよりも魅力的だった次の目標は、「スポーツにとって重要な“食”や栄養のことを学び、後輩たちに伝えたい」ということだった。スポーツにおける“食”の重要性は、自らの選手体験から嫌というほど痛感してきた。怪我や病気を治すため、減量のため、強くなるため…何をどのように食べたらよいかは常に工夫して、追究し続けてきた。 「でも、それを人に伝えていくには経験だけでは不充分で、理論的、専門的に学ぶ必要があると思ったのです」と谷本さん。服部学園を選んだのは、 「一流の学校で学びたかったから」だそうだ。在学中の2年間は、朝から夕方まで学校、夜はコマツ柔道部のコーチとして勤務。さらに学校の宿題もこなす日々。「オリンピックに向かうのと同じぐらいに大変で、充実した道のりでした」と谷本さんは振り返る。授業では、これまで不思議に思っていたことが次々と科学的、医学的に解明されていく。さっそく柔道部の指導に活かすこともでき、とても興味深かった。部員たちも「へえ、こんなふうに数字でわかるのですね」と感心し、納得してくれた。また谷本さんは忙しい中で、キャンパスライフも貪欲に楽しんだ。味噌やジャムなどを作る食品加工部に所属し、学園祭でも活躍した。ずっと年下の高校新卒者からずっと年上の方まで、様々な年齢や経歴のクラスメイトとの交流も楽しくて、得るものが多かったという。
3つ目の金メダルを得て夢も大きく広がった
栄養士科では、2年間の集大成として卒業研究論文が課せられる。その論文で谷本さんは、最優秀賞にあたる「校長賞」を受賞した。谷本さんの論文のテーマは、“トップアスリートにおけるコンディショニング管理”。内容は、「スポーツと栄養と医学、その3つをつなぐことができたら」と考えて、研究したものだそうだ。谷本さんにとって校長賞は本当に嬉しく光栄で、「3つ目の金メダル」をもらえたと思っているという。卒業後の谷本さんは、コマツ柔道部で指導にあたりながら、国内外で柔道の普及活動にも務めている。現在はロンドン五輪日本代表の指導者としても活躍中だ。そして、今後の目標についてこう語ってくれた。
「金メダリストを育てることも目標ですし、子どもたちにスポーツや食べることの楽しさや身体づくりの大切さを教えることも目標です。夢は、スポーツと栄養と医学の架け橋となって、3つを結びつけることでそれぞれの発展に貢献し、人々の健康や楽しみを応援していくことです」。服部学園での2年間がなかったら、こんなに夢が広がることはなかったという谷本さん“。食”や栄養に興味があるなら、ぜひ服部学園で夢を広げてほしいと本紙の読者にも、エールを送ってくれた。