卒業生の声 キム・サンイルさん

Graduate's Voice

多くの常連のお客様に来ていただけるようになりました。

『キッチン 31』シェフ
キム・サンイルさん

調理師本科卒業(2008年)

キム・サンイルさん

総合力と実践力のある料理人を育成する服部栄養専門学校(以下 ‘服部’)の調理師本科。映像編集を勉強しに旅立った日本で偶然に料理にはまり、新村ミョンムル通りの美味しいお店「キッチン 31」のオーナーシェフになったキム・サンイルさんにお会いしました。店内は程よい大きさで暖かさを与えるキッチン 31は、新鮮な食材と多様な日本酒類で8年間その座を守っている居酒屋です。かなり前に服部で学んだ記憶が今も鮮明に蘇ると言うシェフ キム・サンイルさんとお会いしお話をお聞きしました。

服部で学んだ日本料理をベースに多様な料理をつくる

シェフについて簡単にご紹介をおねがいします。

キム・サンイルです。料理を始めて19年ほど経ち、新村で‘キッチン 31’というお店を8年間経営しています。服部の調理師本科で1年勉強した後、2008年度卒業いたしました。

オープン以来とても長い時間を過ごし新村 ミョンムル通りの美味しいお店として定着されました。少し前に店舗を拡張移転されたという噂を聞きましたが、これまで無難にお店を経営すると同時に、より広い空間にお店を移された感想はいかがでしょうか?

お店を開き慌ただしく8年という時間が過ぎました。自分で意図したことは一つもなくて、どういうわけか歳月がこのように流れていったと思います(笑) 。以前のお店は少し狭くて、いつか拡張移転をしようと思っていました。コロナで時期がとてもよくなかったのですが、来てくれる常連のお客様のおかげで移転を成功させることができました。実際にお店が大きくなると『あ、思っていたよりも大変なことになったな』という不安もありましたが、今では『以前のように上手く持ちこたえればいいんだ』と思いながら運営しています。

「キッチン 31」という店名の意味が気になります。現在の店名を付けられた過程と共に簡単なレストランの紹介をお願いいたします。

初めは居酒屋をする予定だったため日本式の店名をつけようと思いました。しかし、私が披露しようと思ったのが、伝統的な日本食ではなかった為、日本的な命名をしてしまうと料理が日本食に限られてしまうと思い、この名前をつけることにしました。「31」という数字に込めた意味は単純に言葉遊びから始まったものです。私の名前「サンイル」を読み方の音をそのままに「31」と表記しました。私達「キッチン 31」は刺身中心の居酒屋です。毎日深夜空輸してくる旬の魚を使用した新鮮な刺身を主力としています。

服部で学んだ様々な調理分野をベースにお店をオープンしようとされた時、様々な業種の中 日本料理、居酒屋を選んだ理由が気になります。

その当時、服部に通っていた韓国人留学生達の多くは日本料理を志望していました。私もその中の一人でした。調理実習ではほとんど全ての日本食の材料を使用することができ、自然に日本食に集中することができました。在学時代、日本食を重点的に勉強しただけでなく、現場実習も現地日本食店でしていたため、一番慣れていて、うまく出来るものを選択しました。

映像編集を勉強しに来た日本で、料理の魅力にはまる!

シェフが料理を始められたきっかけは何ですか?

日本に来る前には、韓国で放送の仕事をしていました。料理ではない映像編集を学びに日本に行ったのですが、生活費が不足しキッチンでのアルバイトを始めたことがきっかけになりました。仕事をすればするほど面白く、一緒に仕事をしていた同僚達が教えてくれる新しい料理知識に興味を持ち、料理を始めることとなりました。

韓国ではない日本での勉強を決めたきっかけや、日本料理学校の中で服部を選択した理由は何ですか?

当時日本に行って感じた点は『食文化がとても発達している』ということでした。どこの飲食店に行ってもおいしいし、綺麗だったし、その上コンビニで何を買って食べてもおいしかった記憶があります。その当時の日本の料理は韓国よりも進んでいたため、日本で料理を勉強したかったです。その中で服部を選んだ理由は、他の学校と比較した時に、様々な調理分野を満遍なく勉強できるという点でした。一番有名な学校でもありましたしね(笑)

服部の様々な教育課程の中で調理師本科(1年課程)を選ばれた特別な理由はありますか?

正直、金額的な部分が非常に大きかったです。1年課程は学費が少し安いため、現実的な部分を考慮して選びました。また当時、日本人の友人達が、1年の間に国家資格の調理師免許を取得が可能な合理的な課程だと助言してくれ、早く卒業して現場で仕事をしたいという気持ちで調理師本科を選びました。

料理人としての自負心を持たせてくれる名門料理学校、服部

実際に入学して料理を学び感じたことの中で、印象に残っていることはなんですか?

服部に行って1番良かった点は、ものすごいプライドを持った専門家の先生方が、初めから1つ1つ教えてくださるというところです。早朝から包丁の研ぎ方のような基礎授業が始まるんですが、学生達が自律的に授業を選択することができたという点も、とても良かったです。ちょっと間違えれば古いなと思う部分までも、非常に細かく教えてくださるのですが、この時にもっと学んでおけばよかったと後悔がありますね(笑)。

長い間お店を経営して、一番役に立っている服部の学びは何ですか?

料理人の出身を重要視する方たちが少しずつ増えていますが、そのような方たちに服部を卒業したとお伝えすると、私と私の料理に信頼を持ってくれるみたいです。ともかく「現地で学ぶ料理人」という印象が強くなっているそうです。また服部は、料理人の衛生観念を強くする学校の為、雑巾をかけるところから、料理した後に綺麗に後片付けをする基本の心得を持つことができたので、清潔なお店の運営に大きく役に立っています。

いい材料で、きちんとした料理をこつこつと作り出す料理人に!

「シェフの料理哲学」お店を経営し、お客様に料理を提供するとき、一番重要視している点があるとすればなんですか?

価格が少し高いとしても、いい材料を使用し、きちんとした方法で、良質な料理を提供するのが、重要だと思っています。重要順位を立てるとすれば、1番目が味、2番目は美鑑賞、見た目がいい綺麗な料理、そして最後にお客様が納得できる価格だと思うので、私は値段が少し高くても、美味しくて、きちんとした料理をお客様方におもてなししたい気持ちが大きいです。

シェフのこれからの個人的な「夢や目標」はありますか?

大きな欲がないので、これ以上お店を広げたいという考えはなく、現在運営中のお店を地道に長い間続けていきたいです。私を見て、訪れてくれる常連のお客様にも、気楽にご飯を召し上がっていただき、お酒も飲んで楽しめるように、暖かい雰囲気でお店を長く維持したいです。

最後に料理人を夢見て、服部の進学を志望している後輩達に一言お願いいたします。

日本で留学をしようということは、高額のお金を払い、本人の時間も投資しなければならないでしょう。ひたすらに頑張ってくれると嬉しいです。時は金なりですからね。取り返しのつかないことです。かなり前に勉強して韓国に戻って来てから、より一生懸命にしなかった過去を後悔しながら、懐かしんでいる私だからこそ、一生懸命にやれという言葉しか言える言葉はないですね。服部の理論授業と実習、情熱をもって勉強してください。この時期が過ぎれば戻ることはできませんからね。皆さん、頑張ってください。

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