卒業生の声 古徳 将人さん

Graduate's Voice

地元の人たちと関わり合って好きなことを仕事にする喜びを日々感じています。

ヴェッキオアルベロ(Vecchio Albero)
古徳 将人さん

調理ハイテクニカル経営学科/2006年卒業

古徳 将人さん

料理人を目指したきっかけはいつ頃、何がきっかけでしたか?

父が飲食店を経営しており、幼い頃から飲食業を身近に感じていました。水戸から上京して修行の末20代で開業、のちに複数店舗の経営者となった父の生き方がお手本で、憧れでもありました。子どものころは、「中学を出たら料理人として働きたい」と思っていましたが、さすがにそれは止められて(笑)。地元の工業高校へ進学しました。

服部を選んだ理由は何ですか?

高校時代は父のイタリアン店をアルバイトで手伝うこともあり、卒業後はすぐに飲食関係へ就職しようと考えていました。しかし進路を決めるとき、「しっかり料理について学んだ方がいい」という父の助言で専門学校への進学することに。地元の専門学校も検討したのですが、「せっかくだから東京の知名度の高いところで学びなさい」と、父の勧めで服部栄養専門学校に進学することにしました。

進学のために東京でひとり暮らしをしたのですね。
生活で大変なことはありませんでしたか?

はい、高校卒業後地元を離れ、東京でのはじめての一人暮らしです。学校に通いやすい都内に部屋を借りました。
食生活は、両親共働きだったため幼い頃から自分で調理することにも慣れていたので問題ありませんでした。東京のいろんな美味しい店を食べ歩きしたり、学校帰りに友達がよく家に泊まりに来たり、楽しい思い出です。

服部での学びで印象的だったことは?

テレビに出ているような有名なシェフによる講義「マスターコース」には感動しましたね。私が人生で最初に買った料理本が「ラ・ベットラ」落合シェフの本なのですが、その本人が目の前にいるということにテンションがあがりました。

西洋料理、日本料理、中国料理、製菓・製パンと、ひと通り主要ジャンルの基礎を教えていただいたことが、その後実際に仕事をする上でとても役に立っています。お菓子もスポンジ生地の扱い方など基本を当時しっかり教わったからこそ、応用でその日入荷した食材でアレンジできるんですよね。

そのほか、フレッシュマンキャンプ、体育祭、ヨーロッパ研修旅行など、服部での思い出は数えきれません。
志をともにする友人たちとの出会いも財産です。学生当時、一番仲が良かった友人と一緒に今お店を運営しているので、服部へ進学したことが大きな転機になったと言えますね。

お店の開業までの道のりを教えてください。

服部在学中にお世話になった研修先にそのまま就職し、その後フレンチ、イタリアン、ハンバーグ屋など、さまざまなお店で働きました。「20代でお店を出したい」という目標があったので、それまでできるだけ経験して知識を広げておきたかったのです。

20代後半に、私が当時働いていたお店を服部の同級生に手伝ってもらっていたのですが、そのころ父が知人から、お店を閉店するので空いた店舗を使ってくれないか?と相談を受けていました。そこで私が紹介をうけ、お店をもつことになりました。それがこの「ヴェッキオアルベロ」です。
学生時代に「いつか一緒に店をやれたらいいね」と語り合っていた親友(木村氏)と、共同経営というかたちでスタートすることになりました。

オープンから約10年、どのようなことが大変でしたか?

急いで店の準備をしなければならなかったのが大変でしたね。前の使用者が退去したあとも家賃が発生しているので、1ヵ月で改装してすぐに開店しなければなりませんでした。それまでもイタリアンのお店だった居抜き物件ですが、キッチンの高さを調整したりいろいろと改装が必要で、毎日業者さんに電話して大慌て。内装小物なんかは自分たちで買ってきてなんとかしました。

メニューは一応イタリアンが基本ではあるけれど、お客さんが食べたいものを何でも作るお店でありたいと考えていたので、お客さんの意見で試行錯誤しながら徐々にかたちが出来上がってきた感じです。
良質なお肉、季節の野菜、新鮮な魚介。私たちの店で扱っている食材は地元のものが中心です。
それらを仕入れられるのは、生産者さんとの深い繋がりがあるからこそ。オープンして10年ほどが経ちましたが、困ったことがあればいつも地元の皆さんに助けていただき、今があります。

お店の強みは何ですか?

地産地消で新鮮なおいしいものを食べられるところが当店の強みです。
野菜は、旬のものを茨城の農家さんなどから直接仕入れています。中には無農薬栽培のものもあり、どれも質・鮮度共に格別。またお肉は浅倉ポークや常陸牛など、茨城県産のブランド肉も扱っています。どれも当店の料理に欠かせない存在です。
お客さんとしてご来店した方が食材の提供者に名乗り出てくれたり、その提供者がまた別の食材の生産者を紹介してくれたり、地域活性の場にもなっていると思います。こんなことは東京ではなかなかできないことではないでしょうか。

また、サラダバーとドリンクバーは女性客に人気です。東京では良いものを少量ずつというスタイルが多いのですが、ここ茨城では良いものをたっぷり、が基本です(笑)。

これからの課題、計画や目標などをお聞かせください。

居心地良いお店として長く滞在してくださるお客様が多いのは嬉しいのですが、しかしそれでは回転率が低く、売り上げが頭打ちになってしまいがちです。ですので、解決策としてドレッシングなどのネット販売に力を入れています。
水戸駅近隣のスーパーにお弁当を卸す計画も進んでいるので、お店だけにとどまらず多くの提供スタイルを展開していきたいと考えています。

これから料理を志す学生に対してメッセージをお願いします。

長時間の勤務、お金の心配、飲食店の独立開業には大変なこともありますが、自分のやりたいことをやりたいようにやれるって最高に幸せな生き方だと思います。
この店は私と友人の二人で運営していますが、意見がぶつかり合うことはなく、お互いのやりたいことを尊重し、チャレンジしてよりよいものを目指しています。
料理の知識と技術、素晴らしい仲間との出会い、すべてを服部で得ることができました。将来、料理の世界でチャンスをつかみたいと思っている学生さんにおすすめします。

ヴェッキオアルベロ

水戸市、笠原町のイタリアンバル

地産地消の精神のもと、その日仕入れた食材を活かして作るのがこだわり。ランチ、ディナーに人気のお店。

https://www.vecchioalbero.com/

パティスリー・ブーランジェリー外観

卒業生の声ナビ

ページトップ