卒業生の声 照屋 望美さん
Graduate's Voice
いつか、自分ひとりで誰も作ったことのない
商品を開発してリリースしたいです。
日本製粉株式会社
照屋 望美さん
栄養士科卒(2008年3月)
照屋さんは、短期大学を卒業した後、服部学園を経て、現在の日本製粉に入社されました。今年で2年目だそうです。学生時代のアルバイトはアパレルの販売員だったそうで、人と話すことが大好きだったそうです。現在の仕事は、正反対の黙々と打込む自分と対峙する開発を携わっています。周りのみんなを明るくする元気な照屋さんにお話をお伺いしました。
栄養士を目指そうと思ったきっかけ
栄養士を目指そうと思ったのはどうしてですか?
食に関する仕事に就きたくて、知識を養うためには専門学校しかないと思い短大卒業後、服部学園に進学しました。食材や栄養についての知識を深く学びたいという思いと、国で認可された学校を卒業しないと取得できない資格だったので栄養士科を専攻しました。ですから、栄養士になりたいという思いはそれほど強くありませんでした。とにかく知識をつけたかったんです。
服部学園を選んだきっかけ
どうして服部学園に行こうと思ったんですか?
もともと服部学園の名前を知っていたんです。名の通った学校だったので、就職先が豊富だったり、優良企業に就職できるだろう思っていました。学校見学した時に設備がきれいでしっかりしていたことも良かったですね。
学校を選ぶ際、他の学校も検討に入れられたんですか?
最初から、就職までを視野にいれて、ほぼ服部学園に行くって決めていました。だから他の学校は見てないんです!
日本製粉に決めた理由
日本製粉に行こうと思ったきっかけはなんですか?
短大時代にみんなが苦戦している就職活動を見ていたので、早い時期から自分で就職活動していたんです。調理もしたかったので、自店でレシピ開発をしているレストランに応募したりもして色々迷っている時期でした。結局9月頃まで決められずにいて、学校で開かれる就職ガイダンスに日本製粉の商品開発があると聞いて、応募したのがきっかけです。
就職ガイダンスではじめて商品開発に行こうと思ったんですか?
高校生時代に色々な専門学校に見学に行っていました。そこで出会った先生がコンビニのお菓子の商品開発をしていると聞き、全国どこにでもあるコンビニに自分が開発をした商品が店頭に販売されているって『なんて夢のある仕事なんだろう』と思ってたんです。それで日本製粉の商品開発の募集を聞いて『これしかない!!』って思っていました。
現在の仕事について
照屋さんの仕事について教えてください。
揚げ物の粉の開発を担当しています。コンビニなどレジ近くにあるホットケースで販売されているから揚げやフライドチキンまた、スーパーのお惣菜に使用される唐揚げ粉や天ぷら粉、とんかつやコロッケなどの開発をしています。
揚げ物じゃなくて『揚げ物の粉を開発』をされているんですね。
実は入社してコーティングチーム(主に揚げ物の粉の開発を行う)を知ったんです。それまでは、ホットケーキ等のミックス粉やパスタなどの開発業務だと思っていたので。採用試験でもパン作りが好きなことをアピールし、ベーカリーチームを希望していたのですが、配属されたのが揚げ物をするところで当時は驚きました。
配属されてがっかりされましたか?
面接時に製パンに詳しい人がいたので、ベーカリーチームへの配属は難しいと思っていました。配属を知らされた時にコーティングチームと知り、内心バーカリーへの期待もあったため少し戸惑いました。ですが良く考えてみるとパンやパスタソースは原料がおおよそ想像できると思うんです。しかし揚げ物の粉(唐揚げ粉など)はその中に何が入っているのか、どう配合されているのかわからないと思います。そう考えると『結構面白い仕事だなぁ』と思い前向きにとれました。
今はどんな商品を開発していますか?
色々あります。主にコンビニ向けのから揚げ粉です。ずっと引き継いできているので、から揚げ粉の改良をしています。営業の人に改良した粉を見てもらって、フィードバックされたものを反映します。それで、クライアントに採用されると一先ずその改良が完成という感じです。でもまたコストダウンなどの次の問題点が出てくると取り組みます。
進行中の開発はどのくらいですか?
主にコンビニのから揚げ粉なんですが、企業によって求められているのが違ったり、粉の味付けも違いますので、一口にから揚げ粉といっても全然違う粉になります。
はじめてひとりでした仕事はどんなのでしたか?
吸油(きゅうゆ)測定です。家庭用のなべでコロッケを揚げて、衣がどのくらい油を吸ったかを測定する仕事です。クライアントは測定された数値を求めるので、吸油測定も行います。
今までで一番面白かったのはどんなのですか?
パンに挟む中身のナゲットです。コンビニで売っているようなタイプで、営業も同期だったので、二人で『この仕事取りたいね』って言いながら、力を入れて頑張ったんです。
出来上がるまでどのくらいの期間でしたか?
結構時間かかって、数か月かけたんですが残念ながら採用されませんでした。
でも、面白かったんですよね?
自分が一から考えて作ったからですね。もちろんクライアントの味の指定はありますが、先輩や上司に報告しながらも一人で開発を進めていいたのが楽しかったですね。でも、その分採用に至らなかったので、とても悔しかったです。
その粉の特徴はどんなのでしたか?
味付けにこだわりました。ペッパーやハーブを入れてみたり、チリ味やコショウで辛みをつけたりなど。一番嬉しかったのは、営業の同期が『おいしい』と言ってくれた事です。
日本製粉のオススメ
職場のいいところはどんなところですか?
結構若い人が多いんです。20代の人が多く、気軽に話しやすいし相談しやすいですね。あと、信頼して仕事を任せてもらえるんです。初めはためらっていた部分もありましたが、自分で色々試していくうちにわかることも多くあり、人に頼らずまずは自分で頑張ろうと思うようになりました。
服部学園のオススメ
服部学園の良かったところ
部活の加工部に入っていて、とても楽しかったです。違うクラスや学科の人達とも友達になることができました。栄養士科の授業でも缶詰を作るんですが、卒業時にみんなで作りたかった『大和煮の缶詰』を作りました。ラベルやQRコードを作成し、アクセスすると製造年月日や原料を表示するようにしました。 学園祭には、加工部として参加し、かりんとうやジャムを作りました。商品を販売したんですが、とても達成感がありました。自分達で試作品を作って、持ち寄って検討したりで、とても楽しかったです。
楽しい部活だったんですね。みんな入ると退部する人少ないですからね。他にもあれば教えてください。
調理実習ですね。栄養士科1年目の調理実習では、日本料理・西洋料理・中国料理・製菓製パンと調理の基礎から全て学んだんですが、料理によって野菜の切り方が違ったりするのは、とても勉強になりましたし、今でも授業で学んだ料理を作ったりしますね。包丁の研ぎ方から基礎を学べて良かったです。
栄養士科1年目は、調理の基礎を徹底的に学びますからね。因みに社会人になってから、『服部学園で学んでいて良かった』ということはどんなことですか?
基本的な事ですが、『あいさつ』です。入学当初は厳しくて、あいさつをしっかりするように指導されて反抗したい気持ちもありましたが、2年生の時に校外実習で行った現場で、とにかくあいさつを心掛け、必ずあいさつだけはしていました。短期間でしたが現場の人達にとても可愛がられたり、人間関係が円滑で私にとってもとてもよかったです。
将来の夢
未来の目標を教えてください。
いつか、自分ひとりで誰も作ったことの商品を開発・改良してリリースしたいです。今は、先輩のアシスタントをしたり、周りのサポートを受けながら進めているので、誰の力も借りずに完成したいです。
取材班からみた照屋さん
照屋さんは、卒業後も現在も服部学園の教科書を活用されているそうです。取材中も常に笑顔で、まわりを明るくさせてくれていました。仕事や自分の事も常にプラス思考で、開発の苦しみさえも楽しんでいる様子でした。
内橋マネジャーにお話しをうかがいました
照屋さんについて
昨年の春に入社して1年経っていないので、まだまだ勉強中です。でも、照屋さんの良いところは、とても元気があり、遅くまで仕事をしても疲れたところを見たことがない。疲れた表情は見たことがなく、常に元気ハツラツでいつもニコニコしている。入社してから、仕事を覚えるまでは、ひとりで始めから終わりまで開発できるわけじゃなく、先輩の手伝いや準備・片付けからやっていく。最近は任せられるようになってきたので、仕事が面白くなってきたと思いますよ。
服部学園の卒業生の良かったところ
非常に元気よくて、何事にも取り組む姿勢がとても良いですね。難しいところがあってもへこたれない。あと、食品に対する興味がとてもあるなと思いますね。
調理食品チームはどんなところですか?
この研究所の中でも、お客様に一番近い仕事をしているのが私たちのチームです。揚げ物関係は、家庭で揚げる手前までを加工する商品もあるので、消費者ととても距離が近いんです。原料の知識や作り方など多岐に渡り、食べた時の評価の仕方も知っていないといけないんです。だからこそ、すごく面白いですし、とてもやりがいのある仕事だと思っています。実際に開発過程で、お客様と直接対話する機会も多く、営業のスタッフと一緒にお客様に提案したりします。一般の人がイメージする製粉会社とは、大きな機械で小麦粉を作って『おしまい』と思われがちですが、もっと深く、作るだけではなく、特徴や使い方までを説明したりすることも開発の仕事です。製粉会社ではありますが、小麦粉の販売と同じくらい、食品(原料を加工したもの。例えば、ホットケーキのミックス等)も力を入れて販売しています。消費者の口に入るまでを当社で行っています。小麦粉は色々なものに変化しますので、可能性は無限大です。
『食』に興味のある皆さんへのメッセージ
食にだけ興味を持つだけでは、範囲が狭まります。食品を開発するということは五感がきちんと磨かれていないとできません。そのためには色々なことに興味を持し、外に出掛けて色々な物を見たり、触ったり、感じたり、知ることで刺激を受けるなど、仕事以外から得るものがたくさんあります。仕事だけの時間だと勿体ないので、仕事を早く終わらして、外に出る時間をたくさん作ることも大切です。
日本製粉株式会社 加工技術研究所 ベーカリーチームマネジャー
内橋 竜介様