卒業生の声 内田 将太さん

Graduate's Voice

寿司店からスタートした料理の道。有名ホテルから個人店パティスリー、すべてが目標実現に欠かせない貴重な経験でした。

HARMONISÉ(アルモニゼ)
エグゼクティブシェフ
内田 将太さん

調理師本科(昼1年)/2007年卒業

内田 将太さん

人を笑顔にする料理の力に感動

調理師を目指したきっかけはいつ頃で、何がきっかけでしたか?

高校生の頃やっていたアルバイトが、寿司店の補助業務でした。その店で、自分が作ったものを食べて笑顔になるお客様を見て、料理には人を笑顔にする力があることに感動しました。この体験が、調理を仕事にしたいと思い始めたきっかけです。

子供の頃からやっていた野球に関する仕事にも興味があったのですが、高校を卒業する頃には料理を専門的に学べる学校に進学したいという方向性に決まっていました。

オープンキャンパスに何度か訪問
知識と技術を身につけられると確信

専門学校に服部を選んだ理由は?

家族に「調理の道に進みたい」と相談したところ、それなら有名な大きいところで勉強したほうがいいと言われ、真っ先に候補に挙がったのが服部でした。当時テレビで服部先生が活躍していて知名度は抜群でしたから。

オープンキャンパスに何度か訪問し、授業内容や学校の雰囲気を見て、ここならしっかりとした知識と技術を身につけられそうと確信しました。

楽しみながら学べた学園生活

服部での学びで印象的だったことは?

クラスは気の合う仲間に恵まれました。互いに料理人を目指して一生懸命に学びつつ、ときにはふざけあって授業も盛り上がり、毎日が楽しかったですね。学園祭ではみんなでデコレーションケーキを作って展示したり、子どもたちにケーキ作りを教えたりしたことが印象に残っています。学校の先生たちは厳しくもやさしく、学びになるように配慮しながら進めてくれたことがありがたかったです。お世話になった先生のことは、卒業して何年もたった今でも師匠と呼ばせていただいています(笑)。

製菓の人を幸せにする魅力と
知名度を上げやすいメリット

さまざまな料理の分野の中でパティシエを目指したのはなぜですか?

寿司店でのアルバイトがきっかけで入った調理の世界でしたが、服部ではさまざまな料理の分野を体験することができました。西洋・和食・中華・製菓などをひととおり授業で学び、料理の世界の広さと奥深さを実感しました。そんななかで「パティシエ」という職業を知ることになったのです。当時はまだ聞き慣れないかっこいい横文字の専門職に惹かれ、そこからお菓子の世界にのめり込んでいきました。

どの分野の料理も人を喜ばせられるのは間違いないのですが、そのなかでも特にお菓子は嗜好品であり、人を豊かな幸せな気持ちにさせるものだと思うのです。また、見た目が華やかで、繊細な技術が求められるところも魅力に感じました。

一般の料理だと星を取らなければマスコミに取り上げられることはあまりないのですが、スイーツは流行になりやすく、メディアに取り上げられて知名度を上げやすいというメリットがあります。店舗を持つことを考えたとき、そういう部分でも製菓は有利だと考えました。

回り道も人脈と縁を生かして
パティシエの道を開く

卒業後、どのような経緯でパティシエになったのですか?

パティシエになることが目標でしたが、卒業して最初の仕事は築地の寿司店でした。そこは私が服部に通いながらアルバイトをしていた店で、飲食業界に幅広い人脈を持つ料理人が経営する店でした。その人は製菓を含めあらゆる料理の知識を持っていて、多方面の著名人と交流があるすごい人物でした。その人の人柄に惹かれ、「ここなら料理の技術を磨くだけでなく、さまざまな縁につながるかもしれない」、そう考えて入社を決意したのです。その期待通り仕事を通してさまざまな人と出会うことができ、次の職場となる「ホテル・ザ・マンハッタン」を紹介してもらいました。ここからパティシエとしての道が本格的にスタートしました。

さまざまな経験を積み
パティシエとしてキャリアアップ

ホテル勤務時代の仕事内容を教えてください。

最初はパティシエの補助業務から始まりました。経験を積むなかで、宴会・婚礼のショーケース準備、生菓子・焼き菓子仕込み全般を任されるようになり、徐々にステップアップしていきました。8年間勤務したのちリッツ・カールトン東京へ籍を移し、さらにキャリアを磨きました。外資系の業界最先端という職場で何もかもが新鮮でしたね。初めての転職だったので緊張もしましたが、有名なシェフと一緒に仕事ができ、大変勉強になりました。

すべての経験と縁がつながり
独立開業を実現させる

開業までの道のりを教えてください。

六本木にある外資ホテル、リッツカールトン東京でシェフ・ド・パルティエ(部門責任者)、その後、オープニングスタッフとしてフォーシーズンズホテル東京大手町でスーシェフ、フランス人オーナーシェフのパティスリー「ル・ポミエ」でスーシェフを務めました。

さまざまな職場で経験を積みながらも、いつかは自分で店をやりたいという夢を持ち続け実現したのが「HARMONISÉ」です。リッツカールトン時代の知人が私のお菓子作りを評価してくれ、カフェ併設スイーツ店を一緒にやらないかと誘ってくれました。それから2年間の構想期間を経て2023年12月にオープンしました。

長い道のりでしたが、ここに至るまでのすべての経験、すべての縁が今につながっていると思います。

今後は人材を育てて
事業基盤を作りたい

「HARMONISÉ」の特徴やこれからの計画を聞かせてください。

ひとつひとつ厳選した食材を使用し、添加物や白砂糖は可能な限り使わないようにしています。食器はすべてエルメスで、テーブルなどインテリア家具にもこだわりました。健康志向の高級感を追求した店としてSNSなどで知られるようになり、遠くからもお客様が来てくれて順調に利益を上げています。

イートインがメインですが、持ち帰りやネットでも販売しています。各サービス担当のスタッフはいますが、作っているのはすべて私一人です。メニュー数を限定し、「すべてがおすすめ」の店なんですよ。あまり幅広く展開せず、コツコツと丁寧にやっていますが、一人では限界があるので自分の右腕になる人材を育てて事業の基盤を作っていかなければと思っています。

「真剣に料理を学びたい」
その気持ちを持ち続ける

これから料理を志す学生に対してメッセージをお願いします。

飲食業は、店によって本当に環境が違います。小規模・大規模、組織的な職場・個人店、日本人シェフ・外国人シェフ、客層、経営方針、金の回し方。上司も先輩も十人十色です。そこで心がけてほしいのは、「真剣に料理を学びたい」という気持ちを持ち続けることです。そこで学べることを精一杯吸収しようという姿勢の継続が大事です。

料理人は人を幸せにできる素晴らしい職業であり、表現力が試される創造的な職業でもあります。大変なこともありますが、すべての経験が自分の力になっていきますので夢を持ち続けて頑張ってください!

HARMONISÉ(アルモニゼ)

世田谷区成城学園前駅の閑静な住宅街に位置するスイーツショップ。

https://harmonise2023.com/

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