卒業生の声 屋城 友香理さん
Graduate's Voice
子どもたちに「おいしかった!」
と言ってもらえるのが、
一番うれしいです。
メリックス(株)(公立小学校給食調理)
屋城 友香理さん
栄養士科卒(2010年3月)
栄養士を目指そうと思ったきっかけ
子どものころから「食」に興味がありました。というのも、母は手料理を大事にする人で、私に出来合いのものを食べさせることはほとんどなく、その手料理もおいしいものばかりでした。だから「おいしいものを作る」ということにはとても関心があったんです。だから栄養士になったのは自然の流れだったと思いますね。もともとは調理師も考えていたのですが、高校生のとき進路について先生に相談したら、「これからの時代、食と栄養を考える栄養士が必要になってくる」とアドバイスをいただき、栄養士になることを決めました。
服部で得たこと、学んだこと
服部に入学を決めたのは、服部の栄養士科が、「調理のできる栄養士」の育成を目指しているから。調理師に興味があったこともあり、調理面は重視しました。実際、服部は週3回と調理実習が多いんです。もちろん調理実習だけではなく、栄養士に必要な知識を得るために、栄養学や生化学、病理学、調理学といった専門的な講義や実験も多い。でも大変だと思うことは全くありませんでした。 中でも今の現場に生かされているな、と思う授業は調理学の実習ですね。食品の特徴に合わせておいしい料理の仕方を考えるのが調理学。卒業してすぐ現場に入って、不安もたくさんありましたが、周囲の方々のサポートに加え、服部での実習や実験が生かされていると思います。
あとは、学園祭でお菓子を売ったことも印象に残っています。私は調理部に所属していたので、調理部のみんなと朝早くからマフィンやラスクをたくさん作りました。大変でしたけど買ってくれたお客さんには「おいしい」と言ってもらえましたし、全て完売してすごくうれしかったです。人に自分の作ったものを食べて喜んでもらえて、一層「栄養士になろう!」っていうモチベーションが上がりました。
この仕事のやりがいを感じるとき
今は800人の児童がいる小学校で給食の調理をしています。パートさんを含め13人で給食を作っていますが、毎日800人分を作るので、すごく大変なんです。12時に遅れることなく出来上がった状態で子どもたちに食事を提供しなくてはいけませんから。朝早くから大量の野菜や肉の下ごしらえをして、大きな釜をいくつも使って火を入れて…。毎日が本当に戦場のよう。だからすごくチームワークが大事なんです。みんなで力を合わせて時間内に給食を作って。そうして作り終えたときは、いつも本当に達成感があります。
あとは、給食を食べ終わった子どもたちから「おいしかった!」と言われて、空になったなべを返してもらえたときはやりがいを感じます。本当にうれしいものなんですよ。
将来的には管理栄養士の資格をとって、給食の献立やレシピ作りにも関わっていきたいと思っています。管理栄養士という仕事は調理する人に指示をする仕事もありますから、栄養についてだけでなく食品や調理についてきちんとした知識をもっていなくてはならない。勉強するのは大変だと思いますが、それだけにやりがいがあります。
あと実は子どものころに憧れていたパン屋にも興味があります。栄養士としての知識はパン作りにも活かせると思うんです。
とにかくまずはこれから一生懸命勉強して管理栄養士の資格を取る、そして食と健康を考えるパン屋を目指していきたいです!
屋城さんの一日
7:30~
まずは、学校に配達された野菜の下ごしらえ。野菜を洗い、皮をむいて、9:00から勤務のパートさんがすぐに調理できる状態にする。
9:00~
パートさんも加わり13人で調理。一番気を遣うのはやはり衛生面。食材や調理品の温度管理に非常に注意を払うのだそう。「冬は風邪などがはやるので、本当に気を遣います」と屋城さん。
12:00~
子どもたちへ給食を渡したり、戻ってきた給食の容器を片付けたりするので、お昼の時間も大忙し。
13:00~
食器洗いや調理場の掃除、書類作成などを行う。その日の調理についての調理時間、温度確認、衛生面などについて記入する「日常点検表」は毎日学校側の管理栄養士さんに提出。あとは、翌日の給食のための準備。新鮮な野菜や魚、肉は給食を提供する日の朝に入荷、調理をするが、乾物などは前日に食品庫から出して計量しておくことも。