卒業生の声 小川 苗さん
Graduate's Voice
RED U-35 2019
ゴールドエッグ受賞
natuRe waikiki (ハワイ)
小川 苗さん
調理師本科卒業
海外で活躍することが夢だった小川さん。2013年3月に服部学園の調理師本科を卒業後、2015年に渡米し「Bouley」(アメリカ・ニューヨーク)に就職。その後、2016年に「La bourse et la vie」(フランス・パリ)に転職し、2017年より「Paris.Hawaii.」 (アメリカ・ハワイ)のスーシェフ、2021年より「natuRe waikiki」(アメリカ・ハワイ)のエグゼクティブシェフ(料理長)として活躍中。
たくさんある調理専門学校のなかで、服部栄養専門学校を選んだ理由を教えてください。
料理人になりたいと思った高校時代のアルバイト先のシェフに、調理師専門学校に行くなら有名なところに行くべきとアドバイスされたからです。社会に出てから、服部を卒業しましたと言うとみなさんわかっていただけるので、今でもそうして良かったと思います。
服部栄養専門学校での授業のなかで印象に残っている授業や、今の自分に役立っていると思える授業や先生の言葉、授業に限らず思い出として残っていることなどを教えてください。
学生当時は料理の技術を上げたかったので調理実習が好きでしたが、料理人になってから、技術はもちろん、食を突き詰めようとすると食品学や栄養学など、基礎となる知識があるとまた自分が作る料理も変わってきます。レストランで働き出すと学科を学ぶ機会はなかなかないので、食品学や栄養学などの座学が今とても役に立っています。
また、私は卒業後フレンチの道を選びましたが、幅広く教えていただいた他ジャンルの日本食や中華などからヒントを得ることもあります。
担任の菊池先生からは、料理以外にもほんとうにたくさんのことを学びました。
就職先を選んだ理由はなんですか?また、ハワイで仕事をすることになった経緯について教えてください。
ずっと海外に出ることが夢でした。ニューヨーク、パリ、と2カ国で働いて、同じフレンチでも場所によって変わる料理の楽しさを知り、ハワイという新しい地ではどんな料理ができるだろうと興味がありハワイに行くことを決めました。
現在はどちらのお店にお勤めですか。また、どのような仕事を担当していらっしゃるのでしょうか。具体的に教えてください。
natuRe waikiki(ナチュール・ワイキキ)というハワイのレストランでシェフを務めさせて頂いています。Beyond the farm to tableをコンセプトに、地球に貢献するお店作りや地元の農家さんたちを支援できるようなメニュー作りをしています。
平均的な1日のタイムスケジュールを教えてください。
午前中はファーマーズマーケットなどに買い物に行き、 お昼頃に店に出勤し、夕方までに仕込みや発注などを終わらせ、営業準備をします。営業前に賄いを食べて、17時にレストランオープン。ディナー中は調理、盛り付け、部下への指示をし、22時頃ディナーサービスが終わり、片付けと次の日の仕込みリストを作成し、23時頃帰宅します。
日々の仕事のなかで心がけていることは何ですか。
どの仕事でも大事なことだと思いますが、お客様に対しても、同じ仕事仲間に対しても、相手の気持ちを考えることをいつも大切にしています。そして今は食を通して地球にどう貢献できるかを常に考えています。
周りのスタッフからは、どのようなことを言われることが多いですか。
パソコン作業は苦手だし、重いものは持てないし、できないこともいっぱいある中で、周りのスタッフに助けられ、支えられて、チームのみんなに心から感謝しています。そんな大切なチームに、自分は何を与えてあげられるかを日々考えながら仕事をし、いつか「あなたと働けてよかった」と言って貰えるようなシェフになりたいです。
RED U-35 2019ゴールドエッグ受賞、おめでとうございます!受賞をしたお気持ちを教えてください。
レッドエッグを目指していたので悔しさは残りますが、まだまだそれに劣る自分の実力をしっかりと受け止め、これからも精進していきます。
受賞までのエピソードを教えてください。
いつも何か新しいことに挑戦し続けていたいと思っており、今年は出場することを自分へのチャレンジにしました。仕事と両立しながら出題に集中したり、時間をとったりするのは大変でしたが、自分がどういう料理人であるのか客観的に見て、向き合うとてもいい経験になりました。
将来の夢を教えてください。また、将来はどのような料理人になりたいですか。
私自身、女性料理人ということで苦労したこともありましたし、家庭と両立できて、身体に負担がかからないような、料理人の新しい形を確立していければと思います。
命と食は切っても切れない関係です。私にとって、生きる喜びを味わえる感覚、五感を使える料理人は天職です。この喜びを沢山の人にシェアできるような料理人になりたいです。